【遺族が現場へ】時速約160キロで追突され男性死亡…事故から2年 栃木・宇都宮市
栃木県宇都宮市で、2年前に発生した悲劇的な交通事故の現場を、遺族が再訪しました。事故の主役である佐々木太子さんは、夫の和田さんを失った場所で、花を手向ける姿が見られました。事故は、国道で時速約160キロで走行していた車両がバイクに追突するというもので、和田さんはその事故で命を落としました。
運転していた石田相太被告は、過失運転致死の罪で起訴されましたが、佐々木さんはその基礎内容に疑問を持ち、より厳しい「危険運転致死罪」への変更を求める活動を展開してきました。その結果、昨年10月には基礎内容が変更され、裁判がやり直されることになりました。佐々木さんは、「少しでも安らかにいてほしい」との思いを語り、夫の記憶を胸に抱きながら、元気でいることの大切さを感じています。
事故から2年が経過した今、石田被告の裁判の再開日程は未だに決まっていません。佐々木さんは、被告やその家族から謝罪の言葉がないことに対して深い悲しみと疑念を抱いています。「今更謝罪されても許すつもりはありません」と語る彼女は、心の中で様々な思いを抱えながら、日々を過ごしています。
一方、危険運転に対する法的基準の見直しが進んでおり、法務大臣が今週、法制審議会に適用基準の再検討を指示しました。全国各地では、危険運転への訴因変更を求める署名活動も行われており、国民の意識が高まっています。佐々木さんは、「私たちの気持ちが追い風になっている」と語り、社会全体での意識改革に期待を寄せています。
この事故は、単なる一件の交通事故ではなく、家族の絆や法制度のあり方にまで影響を及ぼす大きな問題として、多くの人々に考えさせるきっかけとなっています。佐々木さんは、夫のためにも、そして同じような悲劇が二度と起こらないためにも、引き続き声を上げていく決意を示しています。